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教えるときの心がけ

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先生が生徒に、上司が部下に、先輩が後輩に、親が子供に「教える」ときはよくあります。そんなときの心がけをお届けします。
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2019年8月の記事一覧

おばあちゃんの思い出(教えるときの心がけ)

結城は小学生のころ「二進法」を覚えた。 十進法と違うような、それでいて同じような、そんな計算が楽しくて、紙にたくさん計算を書いて遊んでいた。 あるとき、祖母に「ここが2の位だよ」と得意げに教えた。十進法では1の位、10の位、100の位、1000の位になるけれど、二進法では1の位、2の位、4の位、8の位になる。 二進法を知らない祖母は、十進法の感覚で、 「浩ちゃん、2の位なんてないんだよ」 と私をたしなめかけた。しかし、その直後、祖母は「はっ」とした顔になり、 「い

ほめて育てる(教えるときの心がけ)

結城浩の「コミュニケーションの心がけ」2017年9月26日 Vol.287 より 人を教えるときに、  「ほめて育てる」 という態度は基本的によいこと。結城はそんなふうに考えています。 とはいうものの「ほめればいいんだろ」という態度ではよくないと思っています。何も考えず、ほめことばだけを並べると、ほめることの意味が次第に薄れていくからです。「ほめる言葉」が薄っぺらになり、ウソっぽくなるといってもいいでしょう。

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父から学んだ「教える」ということ[Part 4](教えるときの心がけ)

結城浩の「コミュニケーションの心がけ」2014年9月2日 Vol.127 より 夏になると結城は、亡き父のことを思い出す。  * * * 父は趣味でアマチュア無線や電子工作をやっていた。趣味といってもかなり本格的で、工具類や測定機器も充実していた。シンクロスコープが何台もあり、ドライバーやペンチの類いも数え切れないほどあった。私は父に、半田付けや電子工作を教えてもらった。 いや、それは正確な表現じゃない。確かに半田付けは教わったけれど、電子工作は教わってないな。私は『

父から学んだ「教える」ということ[Part 3](教えるときの心がけ)

結城浩の「コミュニケーションの心がけ」2014年8月26日 Vol.126 より 夏になると結城は、亡き父のことを思い出す。 それは、8月が父の誕生月だからかもしれない。  * * * Part 1とPart 2は以下にあります。  * * * 父は中学校の理科の教師をしていた。私が通っている中学校の教師。たいへん指導力があり、先生方も一目おく。そんな教師である。 とはいうものの、私自身は父の授業を見たことは一度もない。教壇に立ったことを見たのは一度だけ。しか

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