古今和歌集を読む

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偽りのなき世なりせばいかばかり人の言の葉うれしからまし

偽りのなき世なりせばいかばかり人の言の葉うれしからまし

#読人しらず #古今和歌集 712 #jtanka #短歌 もし、私たちの関係が嘘偽りのないものだったなら、あの人の言葉がどれほどにうれしかったでしょうか。けれど…… この歌は古今和歌集の仮名序にも現れますが、そこでは恋の歌としては扱われていません。恋の歌として解する場合には「世」は男女関係のことを表します。 「……せば……まし」は反実仮想の推量。「もしも……だったら、……だったであろうに」として、現実に反することを仮定します。「偽りのなき世」ではないと作者は思っている

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里人のことは夏野の繁くともかれゆく君に逢はざらめやは

里人のことは夏野の繁くともかれゆく君に逢はざらめやは

#読人知らず #古今和歌集 #0704 #jtanka #恋 世の中の噂というものは、夏の野原に繁っていた草がやがて枯れていくのと同じように消えていくものです。でも、その噂のせいであなたは離れていく。そんなあなたに逢わないでいられましょうか。 「こと」は、ここでは「噂・評判」の意味。 「かれゆく」は、繁った草が「枯れゆく(かれゆく)」、さかんだった噂話が「涸れゆく(かれゆく)」、恋しいあなたが「離れゆく(かれゆく)」に掛けている。 「逢はざらめやは」は「逢は+ざら+め

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あな恋し今も見てしか山賤の垣穂に咲ける大和撫子

あな恋し今も見てしか山賤の垣穂に咲ける大和撫子

#読人知らず #古今和歌集 #0695 #jtanka  ああ恋しい。いまも逢いたいなあ。山里の家の垣根に咲いている大和撫子のように愛しいあの娘に。 「あな」は「ああ」の意。感情が高まったときに発する言葉で、形容詞の語幹(シク活用の場合には終止形)が続く(ここでは「恋し」)。 「見てしか」の「てしか」は実現が困難なことに対する願望を表す終助詞(「て」+「しか」が一語になった)。「見てしか」は「逢いたいなあ」 「山賤(やまがつ)」は、山里の粗末な家のこと。 「垣穂(か

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君や来む我や行かむのいさよひにまきの板戸もささず寝にけり

君や来む我や行かむのいさよひにまきの板戸もささず寝にけり

#読人知らず #古今和歌集 #0690 #jtanka #恋 あなたが来るかしら、それとも私が行こうかしら……とぐずぐずしているうちに、十六夜の月が見えてきて、私は寝床の扉も閉めずに寝てしまったのよ。 「君や来む」は「君+や+来+む」。「や」は疑問を表す係助詞で係り結びを作る。「来(こ)」はカ変動詞の未然形。「む」は未来を予想する助動詞「む」の連体形(係り結び)。「君や来む」は「あなたは来るだろうか」の意味。 「いさよひ」は「ためらうこと」の意。後世には「いざよひ」とな

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