古今和歌集を読む

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ノート

(梅の花を折りて人に贈りける)きみならで誰にか見せむ梅の花色をも香をも知る人ぞ知る

#紀友則 (きのとものり) #古今和歌集 038 #jtanka #短歌 #春

(梅の花を折って、あの人に贈ったときの歌)あなた以外の誰に見せましょうか、いえ、誰にも見せますまい、この梅の花を。この色の美しさも、この香りのすばらしさも、あなたにしかわからないのですから。

「きみならで」は「きみ+なら+で」。「きみ」は大切なあなたのこと。「なら」は断定の助動詞「なり」の未然形。「で」は打消の接続

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春雨ににほへる色も飽かなくに香さへなつかし山吹の花

#読人しらず #古今和歌集 122 #jtanka #短歌 #春

春雨でつややかに美しい色も飽きないのに、色だけではなく香りまでも心ひかれる山吹の花ですねえ。

「にほへる色」は「にほへ+る+色」。「にほへ」はハ行四段活用「にほふ」の已然形。〔は・ひ・ふ・ふ・へ・へ〕。「る」は完了の助動詞「り」の連体形。「にほへる色」は「つややかで美しい色」のこと。

「にほふ」の「に」はもともとは「丹」で、赤

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21

春ごとに花の盛りはありなめど逢ひ見む事はいのちなりけり

題知らず

#読人しらず #古今和歌集 07 #jtanka #短歌 #春

春が来るごとに花の盛りはあるだろうけれど、その花に会うというのは自分の命しだいなのだなあ。

花はすぐに散ってしまってはかないとよく言われるものですが、春が来るごとに花のほうはしっかりと見事な花を咲かせます。それに比べて、花を見る方の人はどうでしょうか。毎年咲く花に出会いそれを見ることができるというのは人が生きているから

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春雨の降るは涙か桜花散るを惜しまぬ人しなければ

#大伴黒主 (おおとものくろぬし) #古今和歌集 88 #jtanka #短歌 #春

春の雨が降るのは涙なのでしょうか。桜の花が散るのを惜しまない人などいないのですから。

春の雨が降るのは春が流す涙なのでしょうか。だって、桜の花が散るのを惜しまない人なんていません。誰しもみな、桜の花が散るのを惜しんで涙を流します。人と同じように、春もまた涙を流しているのです。春の雨という形で。

「人しなけれ

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今年より春しりそむる桜花ちるといふことは習はざらなん

#紀貫之 (きのつらゆき) #古今和歌集 49 #jtanka #短歌 #春

春を知り始めたかのように今年から花を咲かせ始めた桜の花よ。どうか散るということは習わないでください。

「しりそむる」は「知り初むる」で「しり+そむる」。「しり」はラ行四段活用動詞「しる」の連用形。「そむる」はマ行下二段活用の補助動詞「そむ」の連体形。「しりそむる」は「しりはじめる」の意味。

マ行下二段活用〔め・め・

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14

ことならば咲かずやはあらぬ桜花見る我さへにしづ心なし

#紀貫之 (きのつらゆき) #古今和歌集 82 #jtanka #短歌 #春

こんなふうに散ってしまうということならば咲かないでいればいいのに桜の花よ。あなたを見る私の方までも落ち着かない気持ちになってしまうではありませんか。

「ことならば」は「同じことならば」の意味。「如(ごと)ならば」。

「やはあらぬ」は「やは+あら+ぬ」。「やは」は係助詞。反語や疑問でよく使われますが、ここでは「……や

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久方のひかりのどけき春の日にしづ心なく花のちるらむ

#紀友則 (きのとものり) #古今和歌集 84 #jtanka #短歌 #春

日の光がのどかな春の日だというのに、どうして落ち着いた心もなく桜の花は散るのでしょう。

「久方の」はここでは「光」の枕詞。

「のどけき」はク活用の形容詞「のどけし」の連体形。

「しづ心」は「落ち着いた心」。

「ちるらむ」は「ちる+らむ」。「ちる」はラ行四段活用動詞「ちる」の連体形。「らむ」は推量の助動詞「らむ」

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春来ぬと人はいへどもうぐひすのなかぬかぎりはあらじとぞ思ふ

#壬生忠岑 (みぶのただみね) #古今和歌集 11 #jtanka

「春が来た」と世間では言うけど、鶯が鳴かないうちはまだ春は来てないだろうと思う。

「春来ぬ」は「春+来+ぬ」。「来(き)」はカ行変格活用「来」の連用形。「ぬ」は完了の助動詞。「春が来た」の意味。

「なかぬ」は「なか+ぬ」。「なか」はカ行四段活用「なく」の未然形。「ぬ」は打消の助動詞「ず」の連体形。「鳴かない」の意味。

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