マガジンのカバー画像

日々の日記

77
ふだんの生活を気ままに書き綴った日記を集めたマガジンです。
運営しているクリエイター

記事一覧

賞を受けた本の良さがわからない

賞を受けた本の良さがわからない


質問結城さん、こんばんは。

最近、芥川賞などの有名な賞を受けた本をときどき読みます。しかし、その良さがわかりません。どういう箇所が評価されているのかもわかりません。

わたしが良いなあと思う本は、軽い読み物ばかりで(良いというか、純粋に深く考えず読めて分かりやすいというのを、自分の中で良いという表現にすり替えてしまっているのかもしれません)、重い読み物は良さがわからないのです。

良さがわかる

もっとみる
実家で引きこもっていたときに母が言ってくれたこと(日々の日記)

実家で引きこもっていたときに母が言ってくれたこと(日々の日記)

もう、何十年前の話だろうか。

私には数年、実家で引きこもっていた時代がある。何もできず、ただ家にいた時代だ。二十代の自分。

当時はインターネットも発達していない。ほんとうに「朝起きて寝る」だけの生活だった。

プログラマになる直前の頃のこと。朝起きて夜寝る前まで、会話する相手はコンピュータだった。PascalとCとアセンブラが会話相手である。

いや、それは嘘だな。

父と母と祖母がいたからだ

もっとみる
顔を合わせなくても、信頼関係を築けることはある(日々の日記)

顔を合わせなくても、信頼関係を築けることはある(日々の日記)

それなりに長い年月ネットで活動してきて分かることがひとつあります。それは「顔を合わせなくても、信頼関係を築ける場合はある」ということ。つまり「顔を合わせること」は信頼関係を築くために必須の条件ではありません。結城には、顔を知らないけれど信頼できる知人がたくさんいます。

その知人のうちの何人かは、顔だけではなく性別も年齢も国籍も住んでいる場所も知りません。でも、信頼している知人です。

信頼してい

もっとみる
絵本の読み聞かせと即興で作る物語

絵本の読み聞かせと即興で作る物語

子育ての思い出話です。

子供が幼児から幼稚園くらいの頃のこと。

そのころ、いまから眠ろうとする子供といっしょに布団に入り、絵本を読み聞かせたり、即興でお話を作って聞かせたりしていました。

面白エピソードはいろいろあるのですが、その中の一つ。私は「子供が眠くなるような本の読み方」が得意でした。

どういうことかというと、一日仕事をしてきて、大人(私と妻)はゆっくり過ごしたいわけです。だから、子

もっとみる
無限個の素数はないと仮定してそれらの積に1を加えよ(結城浩)

無限個の素数はないと仮定してそれらの積に1を加えよ(結城浩)

数学短歌無限個の素数はないと仮定してそれらの積に1を加えよ(結城浩)

果てしない無限と君は繰り返す「果てしない無限」たった七文字(結城浩)

曲線にキスしそびれたフラクタルあなたの描くコッホ雪片(結城浩)

Axiom Theorem Proof Conjecture Proposition Contradiction (結城浩)

数式に絡むシグマのいばらみち姫を追えずに血を流す君(結城浩)

もっとみる
二世代に渡って(日々の日記)

二世代に渡って(日々の日記)

結城は読者さんから、こんな感想をいただくことがあります。

「私は結城さんの本を読んで学びましたが、最近になって私の子供も読み始めました」

このような感想には感激しかありませんね!

私は、このような感想をいただくと「中学校の教師をしていた父」のことを思い出します。父は長年教師をしていたので、親と子の二世代に渡って教えることがよくあったらしいのです。

あるとき、父が笑いながらこんな話をしてくれ

もっとみる
お姉ちゃんは数学ガール

お姉ちゃんは数学ガール

私の姉についての、本当にささやかな思い出話です。

結城浩のメールマガジン 2014年6月17日 Vol.116 より

結城が高校生のときの話です。

数学の参考書を選ぶのに、私の姉に書店までつきあってもらいました。

結城は「お姉ちゃん、どんな参考書がいいの?」と尋ねます。

もっとみる
ほめて、ほめて、ほめ続ける(日々の日記)

ほめて、ほめて、ほめ続ける(日々の日記)

先日公園を通りかかったときのことです。

公園には木がたくさんあり、落ち葉が一面に広がっていました。

そんな中に、足元がおぼつかない小さな子と、そのママさんらしき人がいました。

小さな子は、両手でいっぱいに落ち葉をつかんでは、よたよたと歩いて、ぱあああっと散らしています。

何度も何度も繰り返して、散らしています。

あたりまえですが、どこかに落ち葉を集めるわけでもなく、落ち葉を選んできれいに

もっとみる
演出とプログラミング

演出とプログラミング

プログラミング言語処理系Gaucheの作者であり、なおかつ俳優でもあるShiro Kawaiさんのブログ記事を興味深く読みました。

少し引用します。

何度か演技のクラスで一緒になった俳優のDennis Chun氏は役者の仕事は"how to make the scene work" を考えることだ、と言っていた。とすれば演出は "how to make the play work"を担当するっ

もっとみる
何のために生きるの?

何のために生きるの?

質問1: 人生の目標は何ですか
結城先生の人生の目標は何ですか。
生きていると辛いことや悲しいこともありますが、何が生きがいですか。

結城浩のメールマガジン 2019年1月1日 Vol.353 より

回答1ご質問ありがとうございます。

私は「長期的ビジョン」や「人生の目標」などをあまり深く考えない方なので「人生の目標」は何ですかと問われると「うーん」と考えてしまいます。でも「人生の目的」なら

もっとみる
いまは亡き母に会いたい

いまは亡き母に会いたい

質問20歳のときに亡くした母に会いたくてたまりません。

時間が経てば気持ちも収まるかなと思っていましたが、2年経った現在、より会いたいという気持ちが強まってきた気がします。この気持ちとどう向き合っていけば良いのでしょうか。

結城浩のメールマガジン 2018年10月9日 Vol.341 より

回答私も最近実母を亡くしましたので、あなたのお気持ちはとてもよくわかります。「母を亡くす」というのは何

もっとみる
自分の「上位互換キャラ」が出てくると逃げてしまう

自分の「上位互換キャラ」が出てくると逃げてしまう

質問私は「希少価値で価値を高める」というタイプですが、自分の「上位互換キャラ」といえるような人が出てくると、たちまち恥ずかしくて何もできなくなってしまいます。

どのように自分と向き合えばいいでしょうか。

結城浩のメールマガジン 2018年9月11日 Vol.337 より

回答ご質問ありがとうございます。

お気持ちはよくわかります。自分があるニッチな特性を持っていて、その特性が希少であること

もっとみる
「好き」ってどういう感覚ですか(日々の日記)

「好き」ってどういう感覚ですか(日々の日記)

質問結城先生にとって「好き」ってどういう感覚ですか。

結城浩のメールマガジン 2018年8月14日 Vol.333 より

回答すばらしい質問をありがとうございます。

私にとって「好き」という感覚は「長い時間を費やしたい」という感覚にとても近いです。

あることが「好き」ならば、そのことについて長い時間を費やしたいと思う。

ある人が「好き」ならば、その人と長い時間を一緒に過ごしたいと思う。

もっとみる
スケッチブックに数字を書く(日々の日記)

スケッチブックに数字を書く(日々の日記)

結城は、スケッチブックに万年筆で数字を書くのが好きです。紙のざらざらした感触が見えるのが特に好き。数字を書いていると気持ちが落ち着きます。

スケッチブックにはこんな感じで書いています。ページをゆったり使っています。

数字のまわりの図形に何か意味があるわけではありません。そこまで描いた図形をながめて、思いついた図形を描き足していくのです。何が正しい、何がテーマであるといった考えとは無関係の即興描

もっとみる