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教えるときの心がけ

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先生が生徒に、上司が部下に、先輩が後輩に、親が子供に「教える」ときはよくあります。そんなときの心がけをお届けします。
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2024年4月の記事一覧

勉強が「できる子」へのケア(学ぶときの心がけ)

質問小学校でも中学校でも、算数や数学がわからない生徒へのケアは厚いのに、わかる子や楽しい子へのケアがなかったり、邪魔者扱いされたりすることが多いようです。 周囲に聞いても「学力の高い高校に入るまで辛かった」という人が多いです。勉強ができることはよくないことではないですよね? 回答もちろんです。勉強ができることはよくないことではありません。 最初にお断りしておきますが、教育はたくさんの要素が絡む話ですし、また「ケース・バイ・ケース」であることも多いので、私がここで書くのは

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家族に対して勉強と進路のアドバイスをするのが難しい(コミュニケーションのヒント)

質問【勉強と進路の上手い話の仕方】 高校生の妹がいます。彼女とは勉強の話もしますが、「志望校に行きたいなら成績上げないと(=適切な勉強をしなさい)」という話をすると、毎回「できるからって見下すな」と不貞腐れて話が進みません。実際、妹よりも私の成績は良かったのですが、見下して言っているわけではありません。 私のころに比べて、近年の大学受験は難化の傾向があります(私のころは偏差値50で合格濃厚だった学校でも現在は偏差値60あってもザラに落ちています)。この難化は、高校生活での

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『数学ガールの秘密ノート/学ぶための対話』を誰に届けたいと思って書いたのか(本を書く心がけ)

質問『数学ガールの秘密ノート/学ぶための対話』を読みました。 小・中・高と、自分にちゃんと向き合ってくれる先生に出逢えた自分は幸せだったと初めて思いました。 この本をすべての先生に読んでもらいたいと思います(特に小学校の先生に)。 結城先生は『数学ガールの秘密ノート/学ぶための対話』を誰に届けたいと思って書いたのでしょうか。 回答お読みくださり、ありがとうございます! 私が「誰」に届けたいと思って、この本を書いたか…… もちろん「あなた」に届けたいと思って書いたん

「学ぶための勉強」と「教えるための勉強」(教えるときの心がけ)

質問「学ぶための勉強」と「教えるための勉強」は違うものでしょうか。 回答違いますね。 学ぶ人は極論をいえば「学べばいい」ことになります。でも、教える人は「学んだ上にそれを生徒に伝えなくてはいけない」わけですから。そこには違いがあると思います。 たとえていうなら「山に登ること」と「人を山に連れていくこと」の違いにも似ているでしょう。人を山に連れていく人(先生)は、自分が山に登って降りてくればいいわけではありません。連れていく人(生徒)が迷子になったり崖から落ちたりしないよ