古今和歌集を読む

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ノート

(梅の花を折りて人に贈りける)きみならで誰にか見せむ梅の花色をも香をも知る人ぞ知る

#紀友則 (きのとものり) #古今和歌集 038 #jtanka #短歌 #春

(梅の花を折って、あの人に贈ったときの歌)あなた以外の誰に見せましょうか、いえ、誰にも見せますまい、この梅の花を。この色の美しさも、この香りのすばらしさも、あなたにしかわからないのですから。

「きみならで」は「きみ+なら+で」。「きみ」は大切なあなたのこと。「なら」は断定の助動詞「なり」の未然形。「で」は打消の接続

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わが恋をしのびかねてはあしひきの山たちばなのいろに出でぬべし

#紀友則 (きのとものり) #古今和歌集 668 #jtanka #短歌 #恋

恋心を隠しておくことができなくて、私の慕う気持ちは山たちばなの赤い色のようにはっきりと表に現れてしまうでしょう。

「あしひきの」は「山」の枕詞。

「いろに出づ」は「内にある気持ちが、ふるまいや表情などを通して外に現れる」の意味。

「いろ」は「色」と「表情・そぶり・顔色」の二つの意味を掛けています。496も参照。

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久方のひかりのどけき春の日にしづ心なく花のちるらむ

#紀友則 (きのとものり) #古今和歌集 84 #jtanka #短歌 #春

日の光がのどかな春の日だというのに、どうして落ち着いた心もなく桜の花は散るのでしょう。

「久方の」はここでは「光」の枕詞。

「のどけき」はク活用の形容詞「のどけし」の連体形。

「しづ心」は「落ち着いた心」。

「ちるらむ」は「ちる+らむ」。「ちる」はラ行四段活用動詞「ちる」の連体形。「らむ」は推量の助動詞「らむ」

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結城浩です。《スキ》を送ってくださってありがとうございます!
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春霞たなびく山の桜花見れども飽かぬ君にもあるかな

#紀友則 (きのとものり) #古今和歌集 684 #jtanka #恋

春霞がたなびいている山の桜はいくら見ても飽きることがありません。それと同じように、いくら逢っても飽きることはないんですよ、あなたには。

「春霞たなびく山の桜花」は序詞。意味でつながっているので、これは有心の序(うしんのじょ)になります。音でつながる場合には無心の序といいます。

「君にもある」は「君なる」を「も」によって

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結城浩です。《スキ》をしてくださるのは、大きなはげみです。感謝!
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