古今和歌集を読む

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わが恋は虚しき空に満ちぬらし思ひやれども行くかたもなし(読人しらず)

#読人しらず #古今和歌集 488 #jtanka #短歌 #恋 私の恋は、虚空に満ちてしまったらしい。恋心をはるかに伝えようと思うけれど、その気持ちの行く先もないのですから。 「満ちぬらし」は「満ち+ぬ+らし」。「満ち」はタ行四段活用動詞「満つ」の連用形。「ぬ」は完了の助動詞「ぬ」の終止形。「ら…

色もなき心を人に染めしよりうつろはむとは思ほえなくに(紀貫之)

#紀貫之 (きのつらゆき) #古今和歌集 729 #jtanka #短歌 #恋 色などついていない私の心をあの人で染めたときから、私のこの気持ちが色がうつろうように変わっていくなんて思えません。 「染めし」は、「染め+し」。下二段活用の他動詞「染む」の連用形「染め」に、過去を表す助動詞「き」の連体形…

さくら花ちりぬるかぜのなごりには水なき空に浪ぞたちける

#紀貫之 (きのつらゆき) #古今和歌集 91 #jtanka #短歌 #春 さくらの花が散ってしまった風がやんだ後でも、水もない空に波のように花びらは舞っているなあ。 「なごり」は「波残り」で「風がやんだ後でも残っている波」がもとの意味。 「ける」は詠嘆の助動詞「けり」の連体形。連体形になっている…

恋し続けたなら必ず逢える(古今和歌集を読む)

たとえばこんな恋の歌。 種しあれば岩にも松は生ひにけり恋をし恋ひば逢はざらめやも これは古今和歌集の512番、読人しらずの恋の歌です。 現代語で大意を書くと次のようになります。 種があるので岩にも松は生えるのです。あなたを恋し続けたならば逢わないなんてことがあるでしょうか。いえ、そ…

下にのみ恋ふればくるし玉の緒の絶えてみだれむ人なとがめそ

#紀友則 (きのとものり) #古今和歌集 #0667 #jtanka #短歌 #恋 心の中でだけあなたのことを慕っているのでくるしいのです。玉の緒が切れて乱れ散らばるように私もすっかり乱れてしまいましょう。世の人々よ、それをとがめてはいけません。 「下」はここでは「心の中」の意味。 「恋ふれば」は「恋…

古今和歌集仮名序(冒頭)の合成音声による朗読(男声)

古今和歌集仮名序(冒頭)の合成音声による朗読(女声)

心をぞわりなきものと思ひぬる見るものからや恋しかるべき

#清原深養父 (きよはらのふかやぶ) #古今和歌集 0685 #jtanka #短歌 #恋 心は理屈に合わないものだとどうしても思ってしまいます。もしそうでなければ、あなたとこうして逢っているのに恋しいなんてことがあるでしょうか。いいえ、そんなことはないはずですから。 「わりなき」は形容詞「わりなし…

今はとて君がかれなばわが宿の花をばひとり見てしのばむ

#読人しらず #古今和歌集 0800 #jtanka #短歌 #恋 あなたが「それではね」と言って離れてしまったならば、私はたったひとりで家の花を見て、あなたのことを偲び、あなたがいないことを耐え忍びましょう。 「今は」は「今となっては」「このようになった以上は」の意味で、別れのときに使う表現。 「…

枕よりまた知る人もなき恋を涙せきあへず漏らしつるかな

#平貞文 (たいらのさだふみ) #古今和歌集 0670 #jtanka #短歌 #恋 枕のほかには知る人もいない恋なのだけれど、せきとめることに耐えられず涙を、そして恋心を漏らしてしまったことだよ。 「せきあへず」は「せき+あへ+ず」。「せき」はカ行四段動詞「堰く」の連用形で「せき止める、妨げる」の…