どこへも行き着かない恋(古今和歌集を読む)
古今和歌集に、こんな歌があります。読人しらずの恋の歌です。
行く水に数かくよりもはかなきは思はぬ人を思ふなりけり
現代語に翻訳するなら「流れていく水に数を書くよりもはかないこと。それは、私のことなど思っていないあの人を思うことだなあ」とでもなるでしょうか。
ここに出てくる「思わぬ人」というのは、私のことを思ってくれない「あの人」のこと。「あの人」は、私のことを好ましく感じてくれることはあるのだろうか、きっとない。「あの人」は、恋心を私に感じてくれることはあるのだろうか、