古今和歌集を読む

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ノート

思ふには忍ぶることぞ負けにける色には出でじと思ひしものを

#読人しらず #古今和歌集 0503 #jtanka #短歌 #恋

いとしく思う心には、こらえる心が負けてしまいました。恋心は表に出すまいと思っていたのですけれどねえ。

「思ふ」は「恋しく思う」や「いとしく思う」の意味。

「ぞ……ける」は係り結び。

「忍ぶる」はバ行上二段活用の動詞「忍ぶ」の連体形。〔び・び・ぶ・ぶる・ぶれ・びよ〕

「色には出でじ」は「色+には+出で+じ」。「色に出づ」の

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春雨ににほへる色も飽かなくに香さへなつかし山吹の花

#読人しらず #古今和歌集 122 #jtanka #短歌 #春

春雨でつややかに美しい色も飽きないのに、色だけではなく香りまでも心ひかれる山吹の花ですねえ。

「にほへる色」は「にほへ+る+色」。「にほへ」はハ行四段活用「にほふ」の已然形。〔は・ひ・ふ・ふ・へ・へ〕。「る」は完了の助動詞「り」の連体形。「にほへる色」は「つややかで美しい色」のこと。

「にほふ」の「に」はもともとは「丹」で、赤

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紅の初花染めの色深く思ひし心われ忘れめや

#読人しらず #古今和歌集 723 #jtanka #短歌 #恋

初咲きの紅花で染めた色が深いようにあなたのことを深く思っていたこの心を私が忘れることがあるでしょうか。いいえ、忘れることはありません。

「紅(くれなゐ)」は紅花(べにばな)の異称。

「初花染め」は、その年初めて咲いた紅花で染めること(染めたもの)。

色が深いことと、思いが深いことを掛けています。

「忘れめや」は「忘れ+め+

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種しあれば岩にも松は生ひにけり恋をし恋ひば逢はざらめやも

#読人しらず #古今和歌集 512 #jtanka #短歌 #恋

種があるので岩にも松は生えるのです。あなたを恋し続けたならば逢わないなんてことがあるでしょうか。いえ、そんなことはありません。

「種しあれば」の「し」は強意。

「恋をし恋ひば」の「し」は強意。「恋し続ければ」の意味。

「逢はざらめやも」は「逢は+ざら+め+やも」。「逢は」はハ行四段活用動詞「逢ふ」の未然形。「ざら」は打消の助

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ひと知れず思へばくるし紅のすゑつむ花のいろに出でなむ

#読人しらず #古今和歌集 496 #jtanka #短歌 #恋

人知れず思っているから苦しいのです。紅の末摘花の色のように、私の気持ちも表に出してしまいましょう。

「思へば」は「思へ+ば」。「思へ」はハ行四段活用動詞「思ふ」の已然形。「ば」は接続助詞。ここでは已然形に接続しているので順接の確定条件を表し「思うので」の意味。もしも「思はば」のように未然形に接続していたら順接の仮定条件を表し「思

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行く水に数かくよりもはかなきは思はぬ人を思ふなりけり

#読人しらず #古今和歌集 522 #jtanka #短歌 #恋

流れていく水に数を書くよりもはかないことは、私のことを思っていないあの人を思うことだなあ。

「数かく」は数を数えるために線を引くこと。

「思ふ」は恋しいと思う気持ち。「人」はわざわざ言わなくてもわかるあの人、恋しい人、思い人のこと。

ゆくみずに かずかくよりも はかなきは おもはぬひとを おもふなりけりゆくみずに かずかくよ

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片糸をこなたかなたによりかけてあはずは何を玉の緒にせむ

#読人しらず #古今和歌集 483 #jtanka #短歌 #恋

糸でひもを編むようにあちらこちらに気持ちを動かしてみても、あなたに逢わないとするなら、いったい私は何を命として生きていきましょうか。

「片糸(かたいと)」は、よりあわせる前の細い糸のこと。

「こなた(此方)」は「こちら側」のこと。

「かなた(彼方)」は「あちら側」のこと。

「あはず」は、「合はず」(糸がより合わされないこと

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わが恋を人知るらめやしきたへの枕のみこそ知らば知るらめ

#読人しらず #古今和歌集 504 #jtanka #短歌 #恋

私の恋する気持ちをあの方は知っているでしょうか。いえいえ、知らないでしょう。私の枕だけが、知っているとしたら知っているでしょうね。

「人」はここでは「私が恋しているあの人」の意味。

「知るらめや」は「知る+らめ+や」。「らめ」は推量の助動詞「らむ」の已然形。〔○・○・らむ・らむ・らめ・○〕「や」は反語を表す係助詞。

「しきた

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春ごとに花の盛りはありなめど逢ひ見む事はいのちなりけり

題知らず

#読人しらず #古今和歌集 07 #jtanka #短歌 #春

春が来るごとに花の盛りはあるだろうけれど、その花に会うというのは自分の命しだいなのだなあ。

花はすぐに散ってしまってはかないとよく言われるものですが、春が来るごとに花のほうはしっかりと見事な花を咲かせます。それに比べて、花を見る方の人はどうでしょうか。毎年咲く花に出会いそれを見ることができるというのは人が生きているから

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恋すれば我が身は影となりにけりさりとて人に添はぬものゆへ

#読人しらず #古今和歌集 528 #jtanka #短歌 #恋

あなたのことを恋い慕うので私は影法師のようになってしまったのですねえ……だからといって恋い慕うあなたに寄り添うものではありませんのに。

「恋すれば」は「恋すれ+ば」。「恋すれ」はサ行変格活用「恋す」の已然形。「ば」は接続助詞。ここでは已然形についているので順接の確定条件となり「恋い慕うので」の意味。もしも「恋すれば」ではなく「恋

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