結城浩 / Hiroshi Yuki
本を書く生活が30年、著書は60冊を越えました。『数学ガール』『プログラマの数学』『暗…
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夢にだに見ゆとは見えじ朝な朝なわが面影に恥づる身なれば
伊勢(いせ) 古今和歌集681 #jtanka 夢の中ですら、あなたに逢うたびに逢うまいと思うのです。毎朝毎朝、鏡に映る自分の思いやつれた姿を恥ずかしいと思っている身です…
そういえば最近noteを更新していないような。フォローしてくださる人がずいぶん増えたのに。ぼちぼち更新していきますね。
新しい本の企画を考える(結城浩ミニ文庫)
本の企画を考える夫婦の対話。日曜日の礼拝が終わって、私は妻とカフェに入った。最近ずっと帰りが遅かったので夫婦でゆっくり過ごす時間が少なかったからだ。まだお茶には早い時間だったせいか、店内はゆったりしていた。
夫婦でゆっくり過ごす時間と言いながらも、私の鞄の中にはいま読んでいる第四章の原稿プリントが入っている。思わぬ空き時間があったら読もうと持参してきたものだ。でも、席に着くなり原稿を取り出すわけ
夢にだに見ゆとは見えじ朝な朝なわが面影に恥づる身なれば
伊勢(いせ) 古今和歌集681 #jtanka
夢の中ですら、あなたに逢うたびに逢うまいと思うのです。毎朝毎朝、鏡に映る自分の思いやつれた姿を恥ずかしいと思っている身ですから。
「だに」は「……ですら」という意味。ここでは実際に逢うことと夢で逢うことを比較している。
「とは」は連語で「……しては……する」の意味。
「見えじ」は「見え+じ」。「見え」はヤ行下二段動詞「見ゆ」の未然形。「じ」