結城浩
本を書く生活が30年、著書は60冊になりました。『数学ガール』『プログラマの数学』『暗…
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頭を柔らかくする方法/自分自身を甘やかしてしまう/芸大の学生と数学/心の底から納得したい/再発見の発想法/新刊のアナウンス/
結城浩の「コミュニケーションの心がけ」2019年8月27日 Vol.387
目次・芸大の学生と数学 - 学ぶときの心がけ
・教養とは何か
・文章を書き進められない - 文章を書く心がけ
・心の底から証明を理解し納得したい - 学ぶときの心がけ
・頭を柔らかくする方法
・自分自身を甘やかしてしまう - 学ぶときの心がけ
・友人に数学を教えてもいいのだろうか - 教えるときの心がけ
・バックドア -
おばあちゃんの思い出(教えるときの心がけ)
結城は小学生のころ「二進法」を覚えた。
十進法と違うような、それでいて同じような、そんな計算が楽しくて、紙にたくさん計算を書いて遊んでいた。
あるとき、祖母に「ここが2の位だよ」と得意げに教えた。十進法では1の位、10の位、100の位、1000の位になるけれど、二進法では1の位、2の位、4の位、8の位になる。
二進法を知らない祖母は、十進法の感覚で、
「浩ちゃん、2の位なんてないんだよ」